発熱は、身体がバイキンと戦っている証拠!とはよく聞きますよね。でも子どもが熱を出してしんどそうなとき、解熱剤を飲ませたほうがいいんじゃないかな?と迷う場面は多々あると思います。今日は解熱剤について取り上げようと思います。
お薬の飲ませ方についてはこちらをご参考に!
何度以上になったら飲ませたらいいですか?
特に基準はありません。熱で苦しがっている様子であれば解熱剤を使ってあげましょう。解熱剤を使うことで活気が戻り、ご飯を食べられるようなったり、寝られるようにになるのであればOKです。逆にいえば、39度以上の高熱でも、活気があってご飯が食べられるようであれば無理に使う必要がありません。また、寝ているところを起こして飲ませる必要もありません。
高熱が続くと脳に障害が出るのではないかと心配されるパパ・ママは多いですが、高熱自体は怖いものではありません。元気そうにケロッとしているようであれば、無理に解熱剤を飲ませる必要はないでしょう。
- 熱が出ていて、しんどそうなときに飲ませる
- 1回飲ませた後、次は4~6時間ほど時間をあける
- 空腹時に飲ませるのは避けたほうがいいが、状況に応じて空腹時もOK
保育園から、39度の発熱です!と呼び出されてお迎えに行ったものの、確かにほっぺは真っ赤だけど本人はケロッと元気そう…。身体は熱いので連れて帰るのですが、帰宅しても元気げんき!ということはままあります。そういうときは解熱剤を無理に使わず、一緒に遊びながら様子を見ています。
解熱剤を飲ませたのに熱が下がりません!
子どもにはよくあるケースです。基本的には解熱剤の持続時間は4~6時間ですので、薬を続けて飲ませる場合は4~6時間あけたほうがいいとされています。しかし、薬を飲ませてから2~3時間たっても熱の下がりが悪く、ぐずったりしている場合はさらに飲ませてかまいません。ただし、1日で6回分以上は飲ませないようにしましょう。それ以上飲ませると肝臓によくないということがわかっています。
子どもが飲んではいけない市販解熱剤があります!
解熱剤は、本人に処方されたもの、もしくは市販であれば子ども用の解熱剤だけを飲ませるようにしましょう!
本人以外に処方されたものはダメです!
よく、パパ・ママが処方された解熱剤の残りを飲ませようとしたり、兄弟に処方された解熱剤の残りを飲ませようとするという話を聞きます。これは絶対にやめましょう。大人向けの解熱剤の一部は、子どもで有害事象が発生すると知られているものがあります。(詳しくは後述)また、医師がお子さん向けに解熱剤を処方する際、お子さんそれぞれの体重に合わせて量を調整しています。別のお子さんに処方されたものを飲ませようとすると、量が多すぎて別の臓器に負担をかけたり、逆に足りないためにきちんと解熱作用を得られなかったりします。本人に出された処方のみを飲ませるようにしましょう。
大人向けの市販解熱剤もダメです!!
大人がよく使う解熱・鎮痛薬に「ロキソニン」と呼ばれるものがあります。聞いたことがある方も多いでしょう。「ロキソニン」は「NSAIDs(えぬせいず)」と呼ばれる非ステロイド性抗炎症薬の一つです。このNSAIDsは、水痘やインフルエンザを発症した小児に有害事象をもたらすことが知られています。NSAIDsはロキソニン以外にもバファリンなど有名なものでも当てはまります。うっかり買ってしまいそうで怖いですね。
市販の解熱剤を買うときは、必ず子供向けのものにしましょう!
いかがだったでしょうか。子どもは頻繁に熱を出すので、このような場面に遭遇することはよくあると思います。元気そうだったらそのまま様子を見ましょう。しんどそうだったら解熱剤で楽にしてあげましょう。明らかにぐったりしていたり、目が合わなかったり、様子がおかしかったらすぐに病院受診をしましょうね。
今回の主な参考文献
- 小児の薬の選び方・使い方改訂5版 横田俊平他編集
- 月刊薬事 小児疾患の薬物治療ガイドライン総まとめ 五十嵐隆編集代表