そもそもワクチンってなんですか?
特に最近は世間を賑わせていることもあり「ワクチン」という単語をよく耳にする機会が多いと思います。でも、ワクチンが何のことかきちんと答えられる人は意外に少ないもので、バイキンに対する特効薬!のように考えている人もいます。
ワクチンとは、「免疫を作る種」のことです。感染したウイルスや細菌を倒す薬ではないのですね。
免疫を作る種?そんなものを身体に投与してどうするの?と思われるかもしれません。
ワクチン=免疫を作る種を体内に注射することを「予防接種」と言います。
人の体には「免疫」の力があります。一度かかったウイルスや細菌を記憶して二度目の感染したときは体内の免疫が戦ってくれる仕組みのことです。
小さい頃におたふく風邪にかかっていれば、おとなになって感染することはないと聞いたことありませんか?それはまさに免疫の力のおかげなのですね。そのような状態をわざと作り出すのが「ワクチン」です。予め無毒化したウイルスや、ウイルスの一部分のみで出来ていて、免疫を作る種となるのです。
ただし例外として、予防接種しても数度感染するおそれがある病原体もあります。たとえばインフルエンザのように毎年少しずつ形や性質を変化させるような病原体に対しては、ワクチンの効果が乏しいことがあるのです。
ワクチンてどんな副作用があるの?
ふわふわしてかわいい赤ちゃんに無毒化しているとはいえ、ウイルスを体内に入れても大丈夫…?と、思われる方もいらっしゃるかもしれません。
心配する気持ち、とってもわかります。
かわいい腕に注射をさすのもかわいそうなんですよね。
ですが予防接種に使われるワクチンはとても微量で、赤ちゃんの身体に負担がかかるほどではありません。アメリカや、日本の大きな医療機関では1回の予防接種で5種類同時に接種することもあります!一気に打っても大丈夫なくらいワクチンの安全性は認められているのです。
とはいえ、異物を体内に注入するわけですので、「副反応」と呼ばれる反応が出ることがあります。
- 熱が出る
- 機嫌が悪くなる
- 注射部位が腫れる/しこりになるなど
ただ、こういった副反応は2~3日で消失します。予防接種を打たないことで万が一、怖いウイルスや細菌に感染してしまうリスクや、感染したウイルスや細菌を周りにうつしてしまうことのほうがよっぽど怖いのです。
副反応が出たときにすぐ対応できるように、予防接種した際は以下のことを気をつけましょう!
- 接種して30分は病院で様子を見ながら待機する
- 接種当日ははげしい運動をさせない
- 注射した部位をこすらないよう注意する
- 生ワクチンでは3週間、不活化ワクチンでは24時間
副反応の出現に注意する
お風呂は入っても大丈夫ですよ!
ワクチンを打たなかったらどうなるの?
え~副反応あるんだったらやっぱりかわいそう!そこまでして予防接種って打たなきゃいけないの?と思ったパパ・ママ。
たとえ副反応があったとしても、予防接種には大切な3つの目的がありますのでしっかり行いましょう!
- 大人になってからかかると重症になったり後遺症を残す病だが、乳幼児のうちにかかれば軽症ですむものを予め予防する
- 乳幼児期にかかると重症になったり後遺症を残す病を予防する
- 感染力が強く、重篤になる可能性が高い疾患の流行を予防する
赤ちゃん本人を守るためだけでなく、赤ちゃんが大人になったときを守り、さらに赤ちゃんの周囲への感染も防げるんですね。
どうやってスケジュール管理したらいい!?
とはいえ、面倒なのがスケジュール管理。何ヶ月に何を打つんだっけ…?と忙しい日々に忙殺されてしまいがちです。
わかりやすく月齢別にスケジュールを示しましょう!
2ヶ月 Hib 肺炎球菌 B型肝炎ウイルス
3ヶ月 Hib 肺炎球菌 B型肝炎ウイルス 四種混合
4ヶ月 なし
5ヶ月 Hib 肺炎球菌 四種混合
6ヶ月 BCG 四種混合
7ヶ月 なし
8ヶ月 B型肝炎ウイルス
9~11ヶ月 なし
1歳 Hib 肺炎球菌 麻しん風しん 水痘
1歳半 四種混合 水痘
3~5歳 日本脳炎を3回
6歳 麻しん風しん
※青マーカーは生ワクチン
1歳まではほぼ毎月のように接種がありますね。
そこでおすすめなのが、1ヶ月検診を受けた際、その病院で予防接種の予約をとってしまうことです。1歳半の検診までは次回の予防接種の予約を取り続けるのがよいでしょう。予約から取らないといけないと思うと、つい腰が重くなってしまいます。
赤ちゃんを守るため、集団感染を防ぐための予防接種。
国が定めた月齢で受けさせれば公的援助を受けられます!
それほど国としては接種を推奨しているものなのですね。
今回の主な参考文献
- 日本小児学会
- 厚生労働省
- ワクチン.net